罪づけ

それは、冷たい寝台。





ふっ、と重たい息を吐き出した。

それがやけに大きく聞こえて、自分がそれほど集中していたことに気づく。



のめりこんでいた書類作成が一区切りついたことで、ようやく意識が戻ってきたかのような感覚になった。



決算整理前に必要な作業。



決算整理ための詳しい数字を決算整理前の残高試算表に反映させた精算表。

ひとつひとつの確認が重要で、少しのミスで決算に誤りが生じてしまい、一からやり直しになってしまう。

だから、これはとても神経をすり減らす。



さらに各勘定科目の詳細を記載している勘定科目内訳書の作成も同時に行わなくてはいけなくて忙しい。

これでまだ準備段階って言うんだから嫌になるわ。



かなりややこしくて、一息にやらないと自分でも混乱してしまいそうなところにかかっていたから、早めに済ませてしまいたかった仕事。

それが、ここからは適当に修正を入れればいいようになった。



確かな達成感。

満足して深く息を吸う。肺の中の空気を入れ替えた感覚は気分がいい。



意識が戻れば感じる体の重さ。慣れているはずのクリップでまとめた髪が引きつれているような感覚がして、少し頭が痛い。

年齢を重ねるごとに、ちょっとしたことで疲労感に襲われるようになってしまった。






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