罪づけ




あまりのことに慌てた声が出ているというのに、透吾は足を止めることなく私の方へと近づいてくる。

手に持っていた部屋着のパンツなんかじゃ足を隠しきることはできず、私はわたわたと後退。



そのまま縮められた距離に、熱が頬に集まる。



「とう、んぅ……っ」



あまりにも突然の口づけ。



熱っぽく、最初から深いそれに反射的に抵抗しながらも逃れることができない。囚われていく。

透吾の、その唇に。



頭のクリップを慣れたように外されて、髪が背中に落ちる。それをくしゃりと緩く握られて、その動きにさえくぐもった声が漏れた。



いつの間に近づいていたのか、軽く押された拍子にベッドへと倒れる。

ぼふん、と背中から音がして、ようやく彼と触れ合っていた部分が離れた。



そのまま透吾は私の顔の横に手をつき、のしかかってきた。再び私と彼の唇が重なろうとした時。

透吾がぴたりと動きを止めた。



「透吾……?」



意識を溶かされたかのように、抵抗できなくなっていた私は尋ねるように彼の名を口にした。

それでも、透吾は動かない。



「ごめ、ん」



それは、今の性急な行為のことだろうか。

でも今日は彼の様子がおかしいと何度も考えていたから平気。気に障ったりなんてしていない。



「大丈夫、流された私も私だか、」

「違うんだ!」



遮られた言葉。

あまりにも悲痛そうで、思わず目を見開く。



「どうかしたの?」



そっと彼の頬に手を伸ばした。

触れた瞬間、びくりと肩を揺らす。その反応につられて私はえ、とかすかな声を漏らした。



彼の眉間の皺が深くなった。



「ごめんな」



ぽつり、と落ちた言葉に喉の奥が詰まり、胸が冷えるような想いがした。


















































「俺、子どもができた」






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