さよならだね。



花束は、ゆらに見つからないように、トランクに隠すことにした。



今日は、ゆらをディナーに連れて行って、その後あの高台に行って、星空の下でプロポーズするんだ。




ゆらの大好きな星空の下で。



今日は天気が良くてよかった。


おかげで星がきれいに出ている。


雨や曇りじゃ、星が見えないからな。





ゆらはどんな顔をするだろうか、


いつもみたいに真っ赤になって、恥ずかしそうに喜んでくれる?


そうだといいな、、。




俺は、はやる気持ちを抑えながら、頭の中でずっとイメトレしてた。



どうやってゆらに見つからないようにトランクから花束を取り出すか、


どうやって話を切り出すか、


どうやって伝えるか、


考えれば考えるほど緊張してくる。





あと、10分。


あと10分ほどでゆらの家につく。


そのときだった。



俺の走る大きな道路に、細い脇道が交差する交差点。


右角に建物があって少し見通しの悪い交差点。



急に右から車のライトが俺を照らす。





えっ、、?なんだ、、?



次の瞬間、車と体に激しい衝撃があり、俺は意識を手離した。



ゆ、、ら、、、



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