さよならだね。



髪の毛を引っ張ったり、ほっぺたや二の腕などをつまんだり、頭をグリグリ押し付けてきたり、



久しぶりに、子どもっぽい甘えん坊愁くんの登場だ。




「まだ〜?」


「あとちょっと!」


「さっきからずっとそう言ってんじゃん。もう1時間たったんだけど〜。」




あたしの肩にもたれかかって、口をとがらせる愁くん。



ふふふ、かわいい。




「わかったから。あと30分だけ待って!」


「30分?無理無理無理無理。」



頭を左右に振りながら答える愁くん。


本当に子どもみたいでかわいい。





「コーヒーでも飲んでたら、30分なんてあっという間だよ!」


「ったく。絶対あと30分だけだからな!」


「ありがと!」



しょうがないな〜なんて言いながら、コーヒーを淹れに行こうと、愁くんが立ち上がったときだった。



< 411 / 444 >

この作品をシェア

pagetop