さよならだね。




それからしばらくして、お腹いっぱいになったあたしたちは店を出た。



「ごちそうさまでした。」


「どういたしまして。」



気づくと、立花さんがお会計を済ませてくれていた。



このスマートな感じ。

さすが年上の男性って感じだよね。





立花さんが車にエンジンをかける。


助手席でシートベルトをつけていると、

「ゆらちゃん。」


立花さんに名前を呼ばれ、立花さんを見つめる。




「何ですか?」


「もう少し時間大丈夫かな?」


「えっ?」


「ちょっと、一緒に行きたいとこがあって。もう少しつきあってくれる?」




立花さんの申し出に、一瞬迷うあたしだったが、


「はい。大丈夫です。」



ほろよいの勢いか、

次の瞬間には、そんな言葉を口にしていた。




< 60 / 444 >

この作品をシェア

pagetop