【完】いいかげん俺を好きになれよ

「どうもありがとうございます。

ごちそうさまでした」



部長に言葉どおりおごってもらって外に出ると、いつのまにか7時を過ぎていた。


なんだか部活といえど一日仕事になっちゃったなぁ…。


外の空気は夜だけどやっぱりじめっとしていてまだ少し蒸し暑かった。



あたしたちは駅の改札のほうまで歩いていく。


すると部長が急に変な事を言い出した。



「あ…あれさっきの…」


「えっ?」


「抜け駆けしてイチャつくなんてやるなぁ、最近の若者は」



……はぁ??



何言ってんの?部長…

部長だって若者じゃん(笑)



だけど部長の視線の先に目をやると、そこには信じられない光景があった。



……え、ウソ……



泣きながら男の胸に顔をうずめる彼女と、そんな彼女の頭を撫でながら困った顔で見つめる彼…。



あれは……


アユと……真由香…!?



あたしは一瞬心臓が止まるかと思った。



え……なにこれ…


なにやってるの??



なんで二人がここに……?


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