【完】いいかげん俺を好きになれよ
◇いいかげん気付けよ。

ーーキーンコーン…



保健室に着いた時にはもう昼休みが終わっていた。


ガラッとドアを開けると、ちょうど先生はいないみたいで…


あたしはアユをイスに座らせ、消毒液やコットンを取りにいった。



アユが時計を気にしながらたずねる。



「美優お前、英語サボっていいのかよ?

水沢だぞ。お前の大好きな」


「うん、知ってるよ。

でも今はそれどころじゃないでしょ」



あたしがサラッと返すと



「別に…俺は手当てとかいらねぇから。

つーか、二人で抜けたらあとで色々言われるかもしんねぇぞ」



…えっ?



まさかのアユがそんなこと言うからちょっとおかしかった。

何を気にしてるんだか…(笑)


人目も気にせずあたしのために先輩殴ってくれたのに、それでケガしたのをほっとけるわけがないじゃん…



「別にいいよ、何言われても。

それより何より水沢Tより今はアユが大事!」


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