王様とうさぎさん
 忍がうさぎの王様のメレンゲドールについたクリームを拭いて、允の頭の上に載せる。

 まるで、莉王が允の上に君臨しているかのようだ。

 やめろ、と允がそれを払っていた。

 っていうか、これ、わざわざ作ってもらったのか、うさぎの王様。

 ケーキを見つめたまま、莉王は呟く。

「……結婚やめます」

「二度も結婚式しといてなに言ってんの?」
と忍が言う。

「結婚、やめないでよねーっ。
 僕、人妻の方が好みなんだから」

 忍ーっ、略奪宣言かーっ、と酒の入ったおじさんたちがやんやと騒いでいる。

「やっぱり、結婚やめます~っ!」

 もう一度、訴えてみたが、いつものように、允にすげなく言われた。

「駄目だ」

 みんなの笑い声の中。

 真っ白なうさぎのような、白無垢姿で、莉王は、もう〜っ、と叫んで、小さく跳ねた――。




                               了


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