キミがこの手を取ってくれるなら

3、変化

中学に入ると、ますますかっこよく成長した奏ちゃんはよく告白されるようになった。


さらさらと流れる、少し色素の抜けた茶色い髪。切れ長の瞳。鼻筋は通っていて、薄い唇のバランスの良い顔立ち。イケメンぶりで目立つだけでなく、バスケ部ではキャプテンを務め、成績も常に上位に入るくらい頭も良い。


そんな王子様をみんなが放っておくはずもなく、私が切り札のように振りかざしてきた、幼なじみという立場もとっくに効果を失ってしまっていた。


私は内心焦っていた。

ちょっと考えが足りなかった私は、いつも側に奏ちゃんがいてくれたこともあって、中学校に上がると一年間しか一緒に過ごせない、ということに全く気づいていなかった。


『幼なじみ』の切り札が通用しないのなら、せめて監視を……


私は、手下でびくびくしていた今までの立場から、魔王と仲良くなる努力をはじめた。


オトモダチになろう。
魔王を召喚できるように。


じゅんたが、私の新しい切り札になった。
私が中学に上がる頃には、すっかり私達の立場は対等になっていた。



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