~SPの彼に守られて~
「ま…だ終わ…ってね…」
「鷹野さん!!」

 鷹野さんの小さな声が聞こえ、思わず大きな声で呼んじゃった。

 すると鷹野さんの瞼がゆっくりと開いて私を見て微笑み、ああ、もう…、それだけで涙が流れちゃうじゃない。

「よっ…、痛っ!」

 鷹野さんはゆっくりと起き上がるとまだ左腕が痛むのか顔をしかめるので、慌てて鷹野さんの体を支える。

「急に起きたら危ないですよ」
「レオはまだ千明を狙ってくる筈です。千明の警護を続けさせてください」
「警護に必要なお金は払いますので、どうか鷹野さんを私のSPとしていさせてください!」

 鷹野さんは私の警護を続けてたいと願い出て、私も鷹野さんに護って欲しいから鷲宮さんに深く頭を下げると、鷲宮さんの深い溜め息が聞こえた。

 そりゃあそうだよね、依頼主が私情をはさみまくりで意中のSPに警護をしてもらいたいから頭を下げているんだもん。

 こんな依頼者は鷲宮さんにとっては嫌だろうなぁ、さっきの深い溜め息がその意味を物語っていて、鷲宮さんは今どんな風に言ってやろうかと思っているに違いないよね?

「2人とも頭を上げて下さい」

 言われた通り頭をあげると鷲宮さんはとても真剣な表情でいて、私たちは背筋をまっすぐにした。
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