ふりむいてよキャプテン
何かが飛んできたのは分かったけど、何もできず固まっていると、私の真横に落ちる槍。


「ごめん、ごめん、大丈夫だった?」



呆然としていると、笑いながらかけよってくる陸上部男子。

名前は知らないけど、グラウンドでやり投げや砲丸投げをしているのを何度か見かけたことがある。

槍を拾ってあげて、何度か見かけたことがある陸上部の彼に、それを無言で手渡す。


笑い事じゃないよ、もうっ......。
危うく死ぬところだった。


暑いし、ボールは飛んでくるし、そのうえ槍まで飛んでくるなんて、どんなグラウンドだ。


毎日一緒に過ごして部員といい感じになる、とか、もしくはグラウンドを同じくするサッカー部や陸上部の人にたまに見かけてて気になってたんです、と告白されるとか。

夏休みの間に彼氏できたりするかもって、ほんのちょっとだけ期待してたけど、このグラウンドじゃ無理みたい。


こんな危険なグラウンドじゃ、恋なんて生まれるわけもない。

生まれるとしたら命の危険ぐらいで......、って嫌だこんな夏休み。
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