ふりむいてよキャプテン
「ヒロは行かないみたいだから、三人でいくー?」

「なんでそうなるの」

「だってヒロは行かないんだから、そうするしかないでしょ?」

「......行かないっていう選択肢はないわけ?」


行こうよと説得もしないで、あっさりとヒロくんを切り捨てたゆっち。

そんなゆっちに、ヒロくんはほんのちょっとだけど、めずらしくあせっている。


「いいじゃん、ヒロシもいこうよ。
こんなときぐらいしかいけないじゃん。
勉強は家に帰ってから、したらいいんじゃないの?」

「......一回くらいならいいか」


家に帰っても勉強しなさそうなにっしーの説得もあってか、なんとかヒロくんは納得した。

カラオケに行くために帰り支度をしていると、廊下の方から足音が聞こえてくる。

誰か先生が教室の戸締まりにきたのかもしれない。






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