ふりむいてよキャプテン
その日の放課後。


「保健室行ってこい、西川」


ノック中にボールが当たったにっしーは、先生から保健室行きを指示された。


にっしー大丈夫かな......。
軽い打撲ならコールドスプレーや氷で済ませる場合も多いけど、当たりどころでも悪かったのかな。


グラウンドから保健室に向かうにっしーを心配しながらも、先生にボールを渡すと、高田先生はそれを受け取ってからこちらを振り返った。


「宮崎もついていってやれ」

「え?でも、今ボール渡ししてますし......。
付き添いが必要なら、さほちゃ......伊藤さんにお願いしてもいいですか」


ボール渡しをしているのはさほちゃんも同じだけど、外野ノックの方にいっている彼女に視線をやる。


「いいから、お前がいってやれ。
......早くしろ。駆け足!」

「......は、はい!!」


いつも通り口答えは許されないというわけね。

駆け足と言われ、軍隊根性染み付いた私の体は自然と走り出す。


横暴なんだから......。
さほちゃんでいいじゃん。

なんでそんな私にいけとか言ってくるんだろう。


もしかして先生何か気づいてたりとか......、さすがにそれはないか。でも......うーん......。

モヤモヤしながら、保健室まで走った。


関わらないとかいっても、同じ部活な以上やっぱりそれは無理がある、と。
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