ふりむいてよキャプテン
「とにかくミッチーはもう少ししぼっていった方がいいと思うよ。せめて二人か三人に」


できれば一人にしぼった方がいいと思うけど、揺れる気持ちはわかるし、そこらへんはあんま人のこと言えないので。


「しぼってるつもりなんですけどね......」


......。

急にしんみりムードになったミッチーに、どこがだと心の中で突っ込んでしまった。

ミッチーが女遊び激しいとかそんな噂は聞かないし、口ほどチャラくはないんだろうけど、どうもミッチーってなに考えてるのか分からないんだよね。

ちょっと、ずれてるというか。


「そうなの?
あ、そうだ、その義理チョコくれたこの中にも、本命って言えないだけで、ミッチーのこと好きな子いるんじゃない?その中から考えてみるのはどう?ミッチー的にアリな子はいないの?」

「うーん......。
ああ、でも、本命って言ってもらったのが、ひとつありました」


急に思い出したようにそう言ったミッチーに、うんうんそれで?と私は身を乗り出す。
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