【完】幸せをくれたあなたに。
しばらくして、少し奥が真っ暗になった。
暗くて見えずらいけれど、知らない扉がうっすらと目に入った。
まさか……。
そう思って、私はガラッと大きな音を立てて扉を開けた。
でも、なにも見えない……。
そこは静かで、人影がシルエットのように何人かいるのが見えた。
「藍那……っ!!」
不安になった私は、大きな声で藍那を呼んだ。
でも、なんだろう。
この感じ。
窓が開いたとこから、風でカーテンが揺れる。
日差しがかかり、ほこりが少し見える空き教室。
古くなった不自由な机や椅子。
日差しのかかっているところは、明るく少しだけ見える。
誰も動かない。
誰も、なにもしない。
わけがわからない。
その時、