この恋、きみ色に染めたなら

*俺がお前を好きになるから…







凪が再び歩き始めた時、タイミング良く授業終了のチャイムが鳴る。



このタイミングの良さはまるで凪の計画に神様も賛同しているかのようにさえ感じてしまう。









『………凪、本当に行くの……?』




凪の後をずっと追いかけてきた私、2年の教室があるフロアに繋がる階段の前で私は凪に問いかける。






ここまで来ても、やっぱり私には山科先輩を利用することに納得できていない。











『……あったりまえ♪

 って……山科先輩の方から来た』





凪の言葉に、階段の先に視線を向けると、そこには友達とじゃれながら降りてくる山科先輩の姿ー…





……なんてタイミングよ……








『あれ、紗希ちゃん!』




しかも友達に小突かれて、私の存在に気が付いた山科先輩は私を呼び、そして階段を一段、また一段と軽やかに降りてきた。











『…………あ、………どうも……』





『今度は紗希ちゃんから会いに来てくれたの?』





ぎこちない私とは違って、山科先輩はニコニコと微笑んでいる。









『あ、マネージャーの件の返事?』







山科先輩の“マネージャー”の言葉にドキッとする…






『………あ……えっと………』






『そうなんです!是非、マネージャーをやらせてもらえたらな、と紗希が言っていたので、山科先輩に言いに来たんです!』








返事に詰まる私に代わって、凪はちょっと興奮したような顔で、そう言った。





いや…言ってしまったー…









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