晴天のへきれき?
一瞬、バックミラー越しに室井さんと目が合った。


「黙り込んでどうした」


……私って、そんなおしゃべりか?


「や……別に」

「妙な奴だな」


にゃにおう!?


ギリッと睨むと、高瀬が大笑いした。


「お前ら見てると和むな」

「そこで何故和む!」

「この頃、忙しくてなぁ」

ぐだ~っとする高瀬に、瞬きした。

「無駄にエネルギッシュな高瀬はどこいった?」

「俺だって疲れる時はあるって」

顔の前で手を振る高瀬に、室井さんが頷いた。

「アシスタントの築島さんが、急に辞めたのは痛いですね」

首を傾げて、ついでに眉をしかめる。

「築島さんて、営業のお姉さんですか?」

確か、2期先輩の営業のだったはず。

「そう。結婚して実家を継ぐんだってさ」

「あ~……なるほど」


私も気をつけないといけないかな~。

家を継ぐってことはないけど、じい様が何か言って来てもおかしくないし。

そんな年齢だけど……

「お見合いだけは、やだなぁ」

「はぁ!?」

高瀬の素っ頓狂な声に、我に返った。

「なんでもない」
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