晴天のへきれき?
「高瀬らしいと言うか、なんと言うか……」

ぼやいた時。

軽いノックと共に、オフィスのドアが開いた。


「どうも~。お久しぶり」

ひょいと、村田君の顔が現れる。

目が合うと、軽く手を振られた。

「タカ。いる?」


あ、もしかして……


「入っておいでよ。そこで嘆いてるから」

「あ、やっぱりね」

村田君はスタスタと入って来て、青いファイルを高瀬の後頭部に振り下ろした。

「いって!」

顔を上げた高瀬が、そのファイルに目を丸くする。

「それ……!」

「契約書が挟まってたよ。タカの不注意は変わらないねぇ」

嘆息する村田君に、高瀬は飛び上がった。

「うわぁ! 村さん、感謝だ! なんかおごる!」

「あ、そう? じゃ、久しぶりに皆で……」

と、村田君は振り返りかけ、視線はそのまま私の隣に向かった。


「あれ。室井って……第二に移動だった?」

キョトンとする私に構わず、村田君は室井さんに近づいて来た。

「久しぶりだな。2月以来じゃないか!」

室井さんは立ち上がって、頭を下げる。

「あの時は、お世話になりました」


って?


なになに?
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