晴天のへきれき?
「ガサツに見えて面倒見はいいし、気配りがない訳じゃない」


ポカンとして、チーフを眺める。


「気が強そうに見えて、実は気が弱いし、何か妙な所でウジウジする」


ウジウジ……


「お前は文句を言いながらも、高木さんのフォローとか」

チーフは少しだけ視線を外して言い募る。

「風邪ひいてても、木村さんが大変になるから、根性で会社来たりとか、そういう事が出来る人間だろ」

「あの…」

「見ている奴は見てる。だから、表面上しか見ない奴は構うな」


最後に視線が合って、泣きそうになった。

慌てて俯くと、私の髪にチーフの指が絡んで来る。


「俺の胸でよければ、貸すが?」


いやっ!


それは!


「彼女さんに悪いです!」


俯いたままで叫ぶと、



またもや、しばらくの沈黙。



そして、ママの忍び笑いが聞こえた。


「朝倉」

「はいっ」

「何故、俺に彼女がいると思うんだ」


え?


顔を上げると、無表情ながらも解る、呆れた視線。
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