星空エデン
「お兄ちゃん、なんで窓から入ってきたのー?」



…確かに。


「いやー、だってこの方が近道だと思ってさ」


それで、窓から…


変わった人だなぁ。


でも、ここ2階なのに、どうやって上がってきたんだろう…


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!私のお友達なの!」


…?


雛ちゃんは私に近づいてきて…



「葉菜ちゃんっていうんだよ!」


(えっ)


「ど、どうも…青木 葉菜(あおき はな)っていいます。」


「さっきは、すんません!俺、雛の兄で藤川 流星(ふじかわ りゅうせい)っていいます!雛がお世話になってます!」


バッとおじぎして、彼はそう言った。



流星くん…


「あ、いえいえお世話とかそんなんじゃないですよ。」


律儀な人だなぁ…


「葉菜ちゃん!お兄ちゃんはね、ちゅーがくせいなんだよ!」


中学生…なんだ。


私も…一応、中学生の年齢だけど…


学校には行けないし…


「そうなんだ!」



微笑みながら私は答える。


「あの…青木さんも中学生?なんですか?
俺…中3なんだけど…」


中3…私も同じ学年。


「うん、そうだよ。学校には…行ってないけど」


行きたくても行けないんだ。


「同じ年齢…だよ」


「そっか!じゃあ、よろしくな」


笑顔で手を差し伸べてきた。


私はその手をギュッと握り返して

「よろしくね」

と言った。



─これが私と流星くんの出会いだった。
< 2 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop