忍び寄るモノ
連鎖と疑い

保護者説明会があった次の日の朝、起きるとスマホに岡本君からメールが届いていた。

「今日は前みたいに別々に登校」って本文にあったから事件前のように奈々ちゃんと二人で登校。

なんでも近所の人に登下校の時間に外にいてくれるように協力をお願いしたそうで、奈々ちゃんと歩いているといつもよりたくさんの人に会って挨拶をした。

「なんか朝からこんなに近所の人と会うのって変な感じだよね」

「やっぱり静ちゃんもそう思う? わたしも家からずっとこんな感じでムズムズするよ」

「だけど確かにこれなら安心かも。人の目があれば事件も防げるだろうし」

奈々ちゃんと話をしながら校門の近くまで行くとたくさんの生徒がかたまるように集まっていた。

「何かあったのかな?」

「どうしたんだろうね」

奈々ちゃんと二人首を傾げていたらかたまりの中からひまわりちゃんが出てきて私達のほうに走ってくる。

はあはあと息をはずませてやってきたひまわりちゃんは真剣な顔と声で「知ってる?」と切り出した。

「昨日の夜に生徒がまた襲われたんだって!」

「え……!?」

「うそ……っ」

あんなに雨が降っていた中で……!?

昨日は部活休止で全学年が一斉に下校したはずなのに。

< 26 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop