Doctor×Doctor=♡
「沙織、結婚する?」
さらっと、浩一が口にした言葉。
ほんの数日前まで、私が1番言われたかった言葉。
でも、今の私は違う。
「ごめん、私、浩一とは結婚できない。」
「え?」
私はずっと結婚したいと言っていたから、きっと浩一は驚いたと思う。
「あのね、こないだの健康診断で、妊娠は難しいって言われたの。
浩一、子どもはいっぱいほしいって言ってたでしょ?
まだ若いし、浩一のこと大事にしてくれる人、見つけられると思うから。
だから、ごめんね。」
この数日間、ずっと考えていた。
浩一の隣にいるべきなのは、私じゃない。
「理由はそれだけ?」
「それだけって・・・・・。
そんな言い方、しないでよ!
私は、浩一に幸せになってほしいのっ!」
「そんなに泣きながら言われても説得力ない。」