懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
百合の包丁は一定の場所まで行くとその動きを止めた。


最初に突き刺した箇所から5センチほど下に移動した場所だ。


「これ以上動かないよ……」


百合がそう言い、フッと肩の力を抜いた。


「よく頑張った」


俺はそう言い、百合の肩を抱く。


嵐の体には真っ赤な線が一本走っている状態だ。


百合は俺の胸に顔をうずめ嗚咽しながら泣き始める。


自分で友達の体を切り裂いているのだから、当然だ。


でも、これだけじゃダメなんだ。


ここから、包丁を傷口の隙間に差し込み、魚をさばくように切って行かなければいけない。


通常の『チキンライス』に使うくらいのブロック肉が必要だ。


「百合、まだ頑張れるか?」


胸の中で泣いている百合の頭を撫でて聞く。


百合はゆっくりと顔を上げて俺を見た。


その目は涙で充血している。
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