懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「イチゴのショートケーキに、心当たりはないの?」


百合が嵐に聞く。


嵐は「あるわけねぇだろ!」と、吐き捨てるように答えた。


俺はそんな嵐をジッと見ていた。


これが良と同じなら、名前を呼ばれた本人にしかわからない何かがあることになる。


だけど、嵐がそれを素直に認めるとは思えなかった。


「とにかく、部屋の中を探そう」


「そうね」


百合も俺と同じ意見なのか、すぐに嵐から棚へと視線を移した。


「でも、収納スペースもないし棚もこれ1つしかないから、探すって言っても冷蔵庫くらいしか……」


「やめろ!!」


百合が冷蔵庫へと近づいた時、嵐が叫んだ。


百合の体を押しのけ、その前に立ちはだかる嵐。
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