懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「る……な……?」


俺は冷蔵庫の中で膝を抱えた格好で動かない月奈を見ていた。


小柄な月奈は全裸の状態で、冷蔵庫の中にすっぽりとおさまっている。


しばらく唖然としてその光景を見ていたが、ハッと我に返り冷蔵庫へとかけよった。


「月奈!!」


名前を呼び、その肩に触れる。


その瞬間、手にはグニャリとした感触があり月奈の肩の肉がズルリと剥がれて落ちていった。


「うあ!?」


思わず手をひっこめる。


さっきまでは驚きで気がつかなかったけれど、冷蔵庫の中には異臭が立ち込めている。


月奈は目を半開きにした状態でピクリとも動かず、その足元にはどす黒い液体がたまっていた。


「……死んでる」


俺は小さく呟いた。
< 209 / 281 >

この作品をシェア

pagetop