懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
「どういう意味だろう」


そうつぶやいた時、百合と春姫が青い顔をしてうつむいているのが目に入った。


明らかに2人の様子がおかしい。


「おい、まさかお前ら……」


全部を聞く前に、百合が小さく頷いた。


「中学校の調理実習の時、春姫がカラアゲを作っていたの。


その時春姫はよそ見をしていて、油の入った鍋を手から滑らせたの。


それが、調理台の下から道具を取り出そうとしたあたしの肩にかかって……」


そこまで言って百合は言葉を切った。


ブラウスのボタンを少し外し、その肩を出して俺に見せて来た。


確かに百合の肩には広い範囲のやけどの後が残っていた。


皮膚がいびつに固まり、ケロイド状になっている。


想像よりもひどいやけどに俺は顔をしかめた。
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