あふれる、想い
―ayuka―


やっぱり

〝別れる"

それを考えてたんだね




キスをしてくれても

時々見せる表情が思い悩んでたから…




「翔はその大学に行った方が良いと思う」



「でも、俺は愛結花と別れたくないっ」


真っ直ぐ見つめてくれる翔



「私も…別れたくないよ」


「じゃあ…」


「翔は遠距離出来る?」


翔は黙ってしまった


「…愛結はどうなんだよ?」


「私は…」



お互いの間に感じる重い空気と沈黙


その沈黙を破ったのは翔だった




「お互いちゃんと考えてみよう」




言葉に詰まった私に

翔は寂しそうに呟いた







大学に合格して嬉しかったはずなのに

夜、家族がお祝いしてくれても

ちっとも気が晴れない





ベットに入っても

全然気持ちがまとまらない


……眠れない


机に向かって椅子に座って

出窓から月を眺めた







いつも暗闇に明かりを差す様に


私の心の闇に光を差して


いつも傍にいてくれた




蓮がいなくなって


寂しくて辛くて…


そんな時、私といてくれた



傍にいてくれる事が当たり前になってた


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