あふれる、想い

はじめの一歩

―ayuka―

岡野君の背中が見えた


「岡野君…待って」


岡野君は止まってくれない


必死で走って腕を掴んだ


ようやく岡野君は止まってくれるけど
私の方には振り向いてくれない


「岡野君…聞いて
嫌なら背中向けたままでいいから」


本当はこっち向いて欲しい

でも…そんな事言う資格ない


「鈍感でごめんね
辛い思いさせてごめんね」


「謝る必要はない」


冷ややかな声に身体がビクつく


「もう遅い…よね
それでも岡野君が好き」


岡野君が振り返るけど…

苦痛に満ちた顔で
眉間にシワが寄ってる


「今更だよね…」


目の前が真っ暗になる

岡野君に抱きしめられてるんだ

岡野君の体温が‥匂いが
すごく心地いい


「もう…ダメかと思った
上條が好きだと…だから
諦めるしかない
でも諦めれなくて
どうしたらいいのか…
そう思ってた」


「辛い思いばかりさせてごめんね
いつも優しくしてくれてありがとう
支えてくれてたのは岡野君だった」


傍にいてくれて…
優しくしてくれるのが
いつの間にか当たり前になってた


でも、その優しさは
岡野君の切なさの上に成り立ってたんだよね

当たり前だなんて
傲慢な事思ってごめんね
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