キミのとなり



飛雅Side



俺は小さい頃から夢希の事が好きだ。
でもなかなか素直になれない。




夢希の事は誰よりも俺が1番知ってる。
そして知っていたいと思ってる。けど
今となっては俺よりも亜嵐の方が
夢希のことを知っている気がするんだ。



俺の隣にはいつも夢希がいた。
夢希も高校生だし好きな男ぐらい
いるとは思う。いつまでもずっと
隣にいてくれるとはかぎらない。




俺だってわかってるんだけど、やっぱり
隣は譲りたくないっていうのが本音だ。




だが亜嵐に取られそうで怖い。




今日の朝だってせっかく2人で
楽しく登校しようと思ったのに、
俺が余計なこと聞いといてさらに
むすっとしたからアイツもなにも
話さなくなっちまったし、最悪だ。



俺はすぐ顔に出るタイプだから
夢希はそれを思って俺をそっと
しておいてくれてるのだろう。



プラネタリウム行ったっていう報告を
聞いたとき正直イラッとした。
その話している時の夢希の笑顔が
俺の頭の中に焼き付いている。




あの笑顔を亜嵐にも見せてるんだなって。
そう思っただけでもイライラした。




「俺とも行ったことないくせに。」



亜嵐は俺が夢希にしてやれないよーな
事を平気でする。それが羨ましい。
そして憎かった。



このままでは夢希を取られてしまう。
亜嵐もまだ夢希に想いを伝えては
いないみたいだしまだ間に合う。



俺が先に言ってやるんだ。
亜嵐に取られる前に。






夢希は絶対に渡さない。



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