一人じゃんけん

二節 翌朝



 チュンチュン……



 あ、雀が鳴いてる。

 もう朝になったのか。



 昨日は確か――――




『なんか、寒いね』

『このままじゃ風邪引いちまうぜ……』

『寝ようよ、もう』

『んー、ああ……っはぁぶるっしょーん!』



 と言う感じですぐ部屋に戻って寝たんだっけな。


 それにしても、眠い。
 やべ、もう昼過ぎだし……。

 今日が土曜で良かったと思いつつ、重い体をゆっくり起こしてリビングへと向かう。


「あ、菜々未よっす……」

 眠い目を擦ってリビングのドアを開けると、菜々未が座ってテレビを見ていた。

 母親はいつも、休日は仕事で居ないので気にしない。


「なんか飯ないー?」

 キッチンを覗きながら聞いてみる。


 そこで初めて、菜々未の異変に気が付いた。


 さっきから何も言葉を発していない。



「……菜々未?」


 菜々未に近づいてみると、菜々未の体が小さく震えていることに気付いた。


 俺はその理由を、すぐに知ることになる。

 目の前にあるテレビのニュースが、それを教えてくれた。




『繰り返しお伝えします。今朝四時頃、女子中学生桐屋紅子さん十五歳が、自宅ベランダから転落し死亡していることが発見されました』
< 34 / 66 >

この作品をシェア

pagetop