一人じゃんけん

七節 団欒

「お兄ちゃん、知らない人達に殴られて、しかも金盗られたって……警察呼んだ方がよくない?」

「本当ごめんなさいね、のぞみちゃん。良かったら夕飯食べていったら?」

「優斗さん、手当終わりましたよ。私はこれで、帰ります」

「あ、さんきゅー。手当うめーな」


 リビングでテーブルを囲んで話す四人。
 会話が噛み合っていない。


「のぞみは下の世話みてるから、何でも出来るんだよねー!」

 菜々未が話に入ってきた。

「下の?」

「はい。私が長女で、下に弟が二人と妹が二人居ます」

 なるほど。この少子化とも言える時代に五人兄弟とは、結構大家族だな。

 その長女となると……うわー、大変そう。
 ガキの面倒とか、まじムリ。


「じゃあ家事とかもやってるの? 偉いわねぇ、うちの子とは大違い」

 わざとらしく俺の方を見る母親。

「うっせ」

「親に向かってなぁにその口の聞き方は」

 母親が俺の顔を突いた――丁度傷口のところを。

「痛ってー!」

「あら痛かった? ごめんねぇ」

「絶対わざとだろ」
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