「優しいキミが、私は嫌い」
嫌いじゃない。




***



『ねぇ、そーいや香川がね言ってたんだけど

今日告白するらしいよ』



『あ、そーいやさっき教室出てったわ』



友達2人の言葉は、頭になんて入らず抜けていく。

上手くいくといいね、いつだか言ったセリフは本心なのにな。



こんなにも苦しくなるなんて。

こんなにも後悔するなんて。



「………アホらし」


呟いた言葉も、すぐに消えていく。

別に好きになったって、順番なんてないのに。


きっと香川がその子を好きになるより早く、私が香川のことを好きになったのに。



なんてね。





< 10 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop