嘘つき少女は君を愛せなかった

何故にdate

「ねぇねぇ、デートしよーよ。楽しいよ?」

ああもう!うるさいうるさいうるさい・・・。

「消えて。邪魔。」

「うわあ・・・、女子のくせに怖っ痛い!!」

あんたがうっさいからでしょ。

「中間テストで1位取るから、私の周り、

半径10メートルには近づくなって言ったでしょ!?」

「いやいや、無理だから。」

付き合って2週間という、

私たちにとっての山場を迎えたわけだが、

中間テストという存在を完全に忘れていたのだった。

そして今は、矢崎家、つまり我が家で勉強中だ。

「夏目は勉強いいワケ?」

「うん?良くないですが?」

「・・・」

はあ・・・。

めんどくさいね、ほんと。

「勉強飽きたー。あ、ねえでーとしよっ!

息抜きに、ね?」

「勉強もできない奴が何言ってんのよ。

家に入れてあげたんだから、静かにして、マジで。」

そもそも、まだ、2時間しか経ってないし。

ほんとコイツといるとバカが移りそう・・・。

結局、ストレスが溜まっただけで

今日の勉強は何の役にも立たなかった。

もう二度とあいつと勉強なんかするものか・・・

ごぉ~と燃え上がりそうな怒りを

なんとか心の中にとどめ、私は寝た。

・・・とんでもない夢、見ちゃったんだけどね。

きっと、あいつが家に来たからだ。

いや、絶対にそうだ。そうじゃなかったらおかしい。
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