き み さ え い れ ば 。

『そんな心地いい関係を
壊したくなかったから
はいと答えたのかもしれないです……
でも、今は違います。
荻野さんのことが好きだから、
こうやって伝えたいと思っています。』


ただ好きだとゆうだけじゃない。
ひとりにしたくない。
一緒にいたい。
隣に、そばに、いたい。
いつか訪れる先の未来があるなら
そこで一緒に笑いあっている相手は……


『荻野さんがいい。
そう思ったんです。』


あの頃は、わからなかった。
なんで一緒にいるのか。
荻野さんがわたしを好きでいてくれるのは
よくわかるのに、
わたしは本当に荻野さんのことが
好きなのか。

あの頃は、信じられなかった。
荻野さんから向けられている思いは
本当なのか。
これから先も、ずっと続くのか。


でも、今ならわかる。
荻野さんから向けられていた思いが
本当なんだって。

荻野さんと一緒にいた時間は、
本当に幸せを感じていた。
今までにない思いを感じていた。

それがあまりに幸せで、
それを今まで感じたことがなくて、
わからなくて、
怖くなって、
逃げ出そうとした。



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