淡く遠く過ぎた時間〜愛のカタチ〜
玩具
「クロエ様〜♡」

…今日も甘ったれた女どもの声が聞こえる。

「なんだい?」

上目使いで僕を見上げる。


「おねがい。今日はあたしを壊して…?」


いつもの頼み事だ。
昨日の女は10時間と保たないつまらん女だった。

「いいとも…、どうやって壊されたい?」


この屋敷で“壊して”と言う言葉は
俗にいう、“抱いて”や“性的な事”をさす事が多いのだ。
その言葉のまま、壊すという意味でもよく使われるが。


『んっ…ふぁ……』


女の昼間とは違う意味で甘ったれた声。

気持ちが悪い。
背筋がゾワつく。


…この調子だと、この女も10時間と保たないであろう。


この女どもはみな、僕の玩具だ。

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