【完】すき、好き、大スキ。



「これ」



そう差し出された課題を持ち、
促されるように部屋のドア前。

多分、もう出て行けって意味。

何か不完全燃焼過ぎて、
意味がわかんない。


自然にぷぅっと膨れた頬で璃久を見上げると、いつもと変わらない表情で。



やっぱり意味がわかんない。



さっきのキスは何だったのよ!

ちょっと想いが通じたのかと思ってドキドキしたのに。


期待したのにー。


もしかして気まぐれ?

璃久って気まぐれでキスしちゃうの?


……それはそれで、すっごく哀しいんだけど。


昨日は、それでもいいとか思ったけど。

やっぱ実際されたら嫌だ。



あー!

もう!



「ね、璃……」



部屋を出ようとした瞬間、
やっぱりちゃんと聞こうと思ったあたしは、勢いよく振り返った。



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