【完】すき、好き、大スキ。
頷いてくれたのは、夢?
せっかく、あたしの想いが通じたと思ったのに、何で?
「あ、違う! あー……もうっ!」
突き放したのは璃久のくせに、何故か難しい顔をしてる。
「だから言ってるやろ。俺は男やねん!」
「……うん?」
「うん? ちゃうわ。分かれ、阿呆!」
「……へ?」
「お前、何でそんなムカツクねん!
お前の好きとか、付き合うっちゅうのは小学生並やっつってるやろが。
だから、その……」
こんな璃久、初めて見た。
何度もかかれた頭は、ハチミツ色の髪が乱れてて。
言いたい事を途中で濁して。
耳まで真っ赤にさせてうろたえてる。
ね、璃久。
あたしの事、結構好きなんだって思い込んじゃってもいい?