【完】すき、好き、大スキ。



それを見て、俺は梢の首の後ろに手を回すと。



さっきよりもきつく。

さっきよりも長く。

さっきよりも深く。

キスをした。



少し苦しそうな甘い声を出す梢に気がついて
慌てて唇を離し、抱きしめる。



だって、今の俺……絶対に見せられへん顔してると思う。



ギュッと抱きしめて、はぁーっと重い溜息を吐き
冷静さを取り戻そうと必死になる。

そうやって頑張ってる俺の努力空しく。



「璃久ー、好き!」



背中に腕を回し、ギューっと抱きついてくる梢。



……本間、押し倒すぞゴラ。

って、本気で考えたけど。



「……だから、お前わかってへんねん」



あまりにも嬉しそうな、その表情に。

俺は必死に耐えてみた。



だけど待つのは、受験が終るまで。


そんな決意は梢の為か……それとも俺の為か……。





【side-RIKU END】




< 192 / 381 >

この作品をシェア

pagetop