【完】すき、好き、大スキ。



酷くない?

すっごく酷くない?


これって彼女に言うセリフなの?


璃久のバカ!

後藤さんは璃久に気があるんだよ。

絶対あるんだからっ!



「……いいもん。じゃあ、あたしも男の子と雑誌買いに行く!」

「はあー。お前なぁ、何あてつけみたいな事、言うてんねん」



重い溜息を零し、正論を言われたって……
この気持ちは止められないもん。

嫌なもんは嫌なんだもん。



「あ、あたしの事、好きだって言ってくれてる男の子と行くもん!」



一度言い出した嘘は、どんどん大きくなって。

あたしですらコントロール出来なくなる。



「そんな物好きおるん?」



って、酷いよ!

璃久だって、あたしを好きなんだよね?



「い、いるもん!」

「……あっそ。勝手にすれば?」



先に呆れてしまったのは璃久。

わかってたことだけど、
凄く寂しくて哀しい気持ちだけが残った。

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