【完】すき、好き、大スキ。



「ユリアは気にならない? 彼氏が女の子と出かけても」



あたしが書いていたポエムを読み返しては笑う、ユリアに聞いてみた。

ん、私? そう言いながら、
机に置いたあたしに書いたポエムを自分の机の中に押し込んだ。


今更ながら、ちょっと恥ずかしくなったんだもん。

こんなの書いてバカみたいだし。



「あたしは気にならないかなぁ。ま、状況にもよるけどね」

「何で!? 何で気にならないの!?」

「んー。だって部活の買い出しでマネと2人で行ったりしてるもん」



ユリアの彼氏は、確かサッカー部だったけ。



「でも、それはクラブだからじゃん!」



そうだよ。
璃久の場合と全然違うもん。



「あー、そうかもね。でもさ、塾って神楽弟のクラブみたいなもんじゃない?」

「えー。違うよー」

「じゃあさ。神楽弟がサッカー部だったとして、マネと2人で買い物はいい?」



ユリアに言われた事を想像してみた。


スポーツバックを肩からさげた璃久が笑顔で話しながら買い出し。

隣にいるのは、長い髪を揺らした……後藤さん!



「ない。絶対ない!」



< 207 / 381 >

この作品をシェア

pagetop