【完】すき、好き、大スキ。



「こらこら。本気で泣かないの」



目に涙をいっぱい溜めたあたしを見つめてユリアの顔が優しくなる。



「後藤さんにとられちゃったら、どうしよーーー」

「ちょっと、まじで泣かないでよー」



後藤さんに勝るものを、
ひとつでも見つけようと思うのに、
そんなのは全くなくて。


それでも必死探すも、
浮かぶのは後藤さんの勝るところだけ。


それを再認識しては、哀しくなって。



どんどん落ちていくあたしは……どうすればいいのー!



「あ、そだ」



そう声をあげたユリアがニヤッと嫌らしい笑みを零した。

一瞬、その顔に悪寒が走ったのは気のせい?



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