【完】すき、好き、大スキ。



「それに、もし何の反応もされなかったら傷つくのは、お前じゃん?」

「……ん」

「なら、話が面倒な事になる前に、大人しく帰った方がよくね?
俺が見てる限り、神楽弟はその気なさそうだし」

「え!? 一樹、ちゃんと見てたの?」



驚いたー。

初めの時に感想を言ったきり全然だったのに。


本屋では雑誌に夢中だったし、
今だってハンバーガーにがっついてたじゃん。


それでも、ちゃんと見てくれてたんだ。



「一樹、超良い奴ー!」

「何だよ、今更気付いたわけ?」



ニヤニヤと笑い、
ちょっと偉そうにしている一樹に



「あ、一瞬だけね」



って言ったら、予想通り怒って拗ねてたけど。



璃久も、一樹くらい分かり易い人だったら良かったのにな。



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