【完】すき、好き、大スキ。




「……やっぱ、いいわ」



ポソッと言った璃久は、
また前を向き歩き始めると同時に



あたしの手を握った。



え。

え。

えええええ!?



その場の状況を理解出来なくて
周りからは引っ張られて歩いてるように見えると思う。

思う、じゃなくて実際そうなんだけど。



いや、でも、だって!

璃久が、あたしの手を繋いで歩いてるんだよ!?



そんなの……夢?



そう思って何度も見るも、
手はちゃんと繋いでて。

あたしの手に繋がる、
もう一本の手は……璃久。



これは夢じゃない。

現実。




< 334 / 381 >

この作品をシェア

pagetop