【完】すき、好き、大スキ。




お兄ちゃんの友達だから。

あたしが図太かったから。



璃久は、我慢してくれてたのかなぁ。



この間の言葉は本心。



男いっぱいおるやろ。



璃久は、こんなにもハッキリ言ってたのにね。



鞄から紙と、ペンを取り出した。



そこに書いたのは



――ゴメンネ



それだけ。

それ以外に言う事なんてないもん。



その紙を傘に挟むと、いつもあたしが待っている場所に置いた。



歩き出して振り返ると、そこにはポツンと傘が置かれてて。

あたしって、いつもあんなだったんだ。

そんな事を、遠くから見つめながら思ってしまった。




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