ラグタイム
そのシチュエーションを武人がしている訳だけど…何か違うぞ、おい。

あたしの心臓がドキドキと、激しく脈打っているのがわかった。

一体あたしの身に何が起こっているって言うんだ?

そう思ったあたしに、
「帰ろうか」

武人が言った。

「…ああ、うん」

彼に言われた言葉がよくわからなくて、理解するのに数秒かかった。

あたしたちは特に言葉を交わすことなく、一緒に車に乗った。

「もうこんな時間だから家まで送って行くよ。

どこだ?」

武人がシートベルトを締めながら聞いてきた。
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