ラグタイム
「一緒についてきて欲しいところがある。

行くぞ」

藤本さんはあたしの手を引っ張った。

「ちょっ、ちょっと待ってください!

あたし、まだ着替えていないです!」

たった今起きたと言うこともあり、首のところがヨレヨレになった半袖Tシャツにユニクロで買ってきたリラコと言う格好である。

「どうせまた着替えるんだ。

時間がない」

「えっ、ちょっとー!?

ドアが開けっ放しなんですけどー!」

藤本さんに連行されるように、あたしは家を出た。
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