不滅の恋人~君だけを想う~

ジュラという青年



 翌日、馬車に乗ってコンコルド広場へ出掛けたフローラ。

もちろんレオンハルトには内緒で、だ。

今日、夫はパリ郊外にある貴族の屋敷へピアノを教えに行っているため午後まで戻らない。

なので午前十時に待ち合わせなのはフローラにとって有り難かった。

「もういるかしら?」

見えてきた広場を馬車の窓から眺める。

人はまばらにいるが、彼の姿は見当たらない。

仕方ないので馬車から降りて待つことに。

フローラがドアを開け、停止した馬車から降りた瞬間だった。

噴水に寄り掛かっていた黒尽くめの服装の男性が走って近寄ってきた。

「フローラ嬢…!」

帽子を目深にかぶっていたから遠目には気づかなかったが、彼こそがジュラだった。

「ジュラ殿!?」

ジュラは会って早々、慌てた様子でフローラに囁く。

「馬車に戻って…!俺も乗るから」


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