不滅の恋人~君だけを想う~

不滅の恋人



 それから数日経ったある日、フローラはレオンハルトから突然こう切り出された。

「今日でお別れです」

「え…?」

「こちらにサインをお願いします」

差し出されたのは離婚届。

驚いて目を丸くするフローラをレオンハルトは不思議そうに見つめた。

「どうしましたか?これをお望みだったのでは…?ここにサインすれば貴女は僕から解放されます。ジュラを愛しているのなら、彼と共に歩むことができますよ」

「いいの…?」

「それを聞くのは狡いですよ。僕の愛しい残酷な天使」

愛情を持ってフローラを見つめるレオンハルト。

「さあ、サインを」

促され、フローラはゆっくりとペンを握った。

躊躇いがないと言ったら嘘になる。

ヴァーノンが死んだ後、確かにレオンハルトは彼女の慰めとなってくれたのだから。

けれど――。


(ジュラ…)


思い出すのは翡翠の瞳。

ジュラの顔がちらつく。

愛の囁きが、奏でられる旋律が、恋しい。

愛おしい――。


< 71 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop