RMV~ルームメイトはヴァンパイア
blood.2 ヴァンパイア



目が覚めると、カーテンから光が差し込んでいる事に気づく。



もう朝のようで、私はどうやら夜風千陽のベッドで朝まで眠ってしまっていたようだった…。



隣には夜風千陽はいない…。



ベッドには私一人きりだった。



私はベッドから出て、私は1階のリビングへと行く…。



リビングに行くと、夜風千陽がバスローブを身にまとい、新聞を読んでいた。



「やっと起きたか。

お前朝食は食べるのか?」




私が降りて来たことに気づいた、夜風千陽が話しかけてくる。



「朝は食べない…。」



「そうか。
ならそれだけ飲んどけ。

学校で倒れられたら困る。

さっきメイドに言って作らせといた…。」



そう言って、夜風千陽の目線の先の液体を目にとめた…。



そこには、緑色の謎の液体…。



「なにこれ…。」



「あ゛ぁ?

鉄分の塊みたいなスムージーだ。
昨日散々俺様に呑まれて貧血だろーよ。

味は不味くはないらしーから飲んどけ。」



面倒くさそうにそう言うとまた新聞を読み始めた。



新聞なんか読むんだ…。

てか、ヴァンパイアなのに朝普通に起きれるんだ。




とかそんな事を考えつつも、そのスムージーとやらが置かれている夜風千陽の向かえの椅子に腰掛けた。



見た目は青汁のような、深緑色…
決して食欲をそそらないスムージーとやらを私は手にとった。



できれば飲みたくないけれど…。



貧血なのは確かだ・・・。
酸素が頭に回っていないのか、偏頭痛がする。



私はこれから幾度となく、アイツに血を呑まれる。


貧血だから、やめてと言ってやめてくれるような奴ではないだろう。


それにまだ、死ぬわけにはいかない。




恐る恐る…私はそのスムージーとやらに口をつけた…。




あれ??





「美味しいー!」




予想外の味に驚いた。




何が入っているのかは分からないが、まるでフルーツ牛乳のような味だった。



これなら、何杯でも飲めそう。



「キッチンの冷蔵庫に、作り置きして置いておくと言っていた。

水の代わりに飲んどけ…。

学校に持って行けるよう、別にメイドが用意してると言っていたからそっちも持っていっとけ。


貧血で餓死されては困るからな…。」




新聞に目線を落としたまま、言葉だけかけてきた。





「あ…ありがとう……。」





意外だった…。



餌だの家畜だの言ってた癖に…



メイドに作らせたってことは、夜風千陽が頼んで作らせたってことで…。



私の身体を気にしてくれてるってことだよね。





「自分の家畜の世話は主人の努めだからな」



そう言って皮肉げに笑った。



前言撤回だ…。
やっぱりコイツは私のことを餌としか思っていない鬼畜野郎だ。




イラッとしたので、何も返事をせずスムージーを一気に飲みほした。




「お前の部屋に新しい制服と、着替え用意して置いている。

シャワーでも浴びて
今日はそれを着て学校に行くといい。」




「・・・・・私の部屋?」




「もう忘れたか。

昨日見せてやっただろうが。
今はゲストルームだけど、お前が使えっつっただろ。」




あの高級1LDKのこと?



本当に私の部屋だったんだ…。



「え?でも制服はあるからいいよ。」



「あ?
そんな血だらけのクシャクシャなので行く気か?」



そう言われて着ていた、制服を見ると…



シャツには所々…血がついていて…



制服のまま寝ていたからスカートはクシャクシャになっていた…。




でも、制服まで用意してもらう義理はない。




「そんな格好で行って、お友達とやらに心配かけてもいいのか?」



私が何を言わんとしたのか、気づいた夜風千陽が言った。




「・・・・・・・・・・。

分かった。でも…制服代は払う。」




「勝手にしろ。」




そう言って、新聞を読み終えたらしい夜風千陽は立ち上がり、二階の自室へと行った。



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