銀髪と呪眼と赤い外套~夢の競演特別編~
第三章

修内太

ものすごい勢いで校舎の屋上へと上がっていったメグと乙女。

俺がやっと屋上に辿り着いた時には、既に二人の戦いは再開していた。

「おおぉぉおおっ!!」

気合の声と共に斬りかかる乙女の刃を、メグは右に左にかわす。

そして。

「       !!」

素早く高速詠唱。

途端に、メグの右手が凍りつき始めた。

魔術の誤爆か。

いや、彼女ほどの魔女に限って誤爆など有り得ない。

右手を包み込んだ氷は次第に長く、鋭く成長していく。

やがてメグの右手は、鋭利な氷の剣と化した。

勿論ただの氷ではない。

強度も切れ味も抜群の、魔力を帯びた氷だ。

その氷の刃で。

「はぁっ!」

メグは乙女の剣を受け太刀した。

「魔女でありながら剣術で私に挑むのか?」

鍔迫り合いの形のまま、乙女がメグを睨みながら言う。

「は、冗談」

メグは笑って答える。

「あんたほどの騎士を相手に剣で真っ向勝負挑むほど馬鹿じゃないわよ。これはただの防御用。本命は…」

メグは力を込めて乙女を押し返し。

「こっちよ!」

右の呪眼に魔力を流し込んだ!

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